もっと複雑、だから美しい


「が、わたしたちの多くは、語りえないこと、理解不能なものに囲まれて、それでも言葉を搾りだす、あるいは逆に、言葉を呑み込むという、そういう呻吟に耐ええないところがある。そして、わかりやすい物語、耳ざわりのいい言葉に、すぐに飛びつく。つねに過剰か過少になってしまうという、言葉と現実との不均衡な関係に押し潰されて、練られてもいない言葉を反射的に漏らしてしまう。思いが窪みというものを失ったかのように。」

鷲田清一『老いの空白』p.89-90


「老い」はなぜ問題なのか。問題となったのはいつからか。本当に問題なのか。

淡々と、「老い」を見つめた作品。

朝日新聞の「折々のことば」を連載する鷲田さん。

心がめいる時も、この欄に助けられています。天声人語も好きだけど、心を軽くしてくれるのは「折々のことば」だな。


語り口に知性を。

知性の中に愛嬌を。


最近の、挑戦です。

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