むかしむかし


穏やかでありたいと願うときに限って
意外にも心震える瞬間を切望しているように
泣いていいのにと思う時には
あの人は必ず、目を細めていた。

芯の強さが
真っ直ぐな瞳が
ふわりと動く両足が
汗を拭う、その仕草が

たまらなく、どうしようもなく
好きだったのです。

(photo by girly drop)

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