私の、あなたの7年

前日オールした頭はフラフラで
最初は目眩がするのかと思った
なんか可笑しい、みんなに聞こうかと振り返ると
「揺れてる…」
誰の声だったかは忘れた
それでも声の細さだけは耳に染み付いている

いつまで頑張れば良いんだろう
努力するのは昔から大好きだった
勉強すれば成績が伸びて
部活に打ち込めばスキルが上がった
器用貧乏ではあったけれど
一定の水準に行くまでは特に困らなかった
だからなのか、それでもなのか

当時、わたしはガス欠だった
良い高校に行くための中学
良い大学に行くための高校
良い会社に入るための大学…
永遠に続く螺旋階段だと思った
いつまで頑張っても
このレールに乗ってる限り逃げられない

嫌になって、呆れて
頑張るのをやめようとしていた
みるみる学年順位は下がっていって
いよいよ3桁到達かも
そんな矢先の出来事だった

大地は揺れて裂けた
人は狼狽えるだけの虚しさよ

大好きなポルノグラフィティの曲が
惰性を攻めているようだった
「馬鹿は、わたしじゃないか」
臨時休校で家に引きこもり
泣きながら勉強した
勉強して、日記を書いて、テレビから新聞から目を背けないことが
唯一、わたしに出来ることだと信じて

つまらない人間に戻っただけかもしれない
言われたとおりに勉強して
言われたとおりに部活をして
言われたとおりに行事に打ち込む
(部活は不真面目だったけど)

本当の自主性なんて、なかった
持てなかったし、持とうとも思ってなかった
でも遠く離れた地であっても
あの震災を経験したことで
スパイス程度の優しさが
つまらなさに加わったと思う

新幹線をおりて
仙台から南三陸に向かう
バスで隣になった人を
かさ上げされる土地を見つめる漁師さんを
商店街のおじちゃんを
彼らの言葉を
わたしは忘れない

この7年間
どれだけ東北を想えただろう
そこに、寄り添う優しさは
建設的な批判は
とびきり馬鹿げた笑い声は
あっただろうか

わたしの7年、あなたの7年

あなたはどんな7年を過ごしましたか?


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