そうして、風を穿つ

水が高いところから低いところへ流れていくことが自然なように
重々しく纏わりついた感情のヘドロは、時が流れると同時に浄化されていく
「時間が解決するよ」
そう言われ続けて、未だに解決の糸口すら見られないことが、あふれ出んばかりにある。


「なんだかんだ良かった」

なんて言葉では片づけさせない。

それで友達と呼べるかもしれない何人かをなくしたとしても、子どもだと言われようとも。


ヘドロは浄化されない。

濃度が高まって、より汚い部分だけが中心に凝縮されて、固まって、とがって、磨かれて、より鋭く、より繊細になる。

そうして、ヘドロは風をも穿つ。

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